「若い世代は貯金が苦手」
ひと昔前にはよく聞かれた言葉ですが、現代はどうでしょうか?
将来への不安から、若いうちから貯蓄を始める人が増えているように感じますが、一方で、貯金が苦手な人がいるのも事実です。
そんな方にとって、生命保険に貯蓄の機能を備えた商品や、解約を前提とした終身保険は魅力的に見えるかもしれません。
「生命保険は貯蓄の選択肢に入るのか?」
今回は、この疑問について深く掘り下げていきます。
生命保険を貯蓄代わりにするメリット
生命保険を貯蓄の代わりにすることには、以下のようなメリットがあります。
- 強制力:毎月保険料を支払う必要があるため、半ば強制的に貯蓄ができます。
- 保障:万が一のことがあれば、死亡保険金を受け取ることができます。
- 税制優遇:生命保険料控除を利用することで、所得税や住民税を軽減することができます。
- 安定性:長期の安定した運用となるため、株式投資などに比べるとリスクは低いと言えます。
生命保険を貯蓄代わりにするデメリット
生命保険を貯蓄の代わりにすることには、以下のようなデメリットがあります。
- 流動性:早期に解約すると、払った分までは戻って来ないことが多いです。
- 手数料:保険会社に支払う手数料が含まれているため、実質的な利回りは預金よりも低くなる場合があります。
- 複雑さ:仕組みが複雑で、理解するのが難しい場合があります。
近年増加している変額保険とは?
近年、生命保険会社では変額保険の取り扱いが増えています。
変額保険とは保険料の一部を株式や債券などの投資信託で運用し、その運用成果によって保険金や解約返戻金が増減する商品です。
メリット
- 高いリターンが期待できる
- インフレに強い
デメリット
- 運用成果によっては、保険金や解約返戻金が想定よりも減ってしまう可能性がある
- 手数料が高い
終身保険を解約前提で貯蓄とする是非
一部の保険会社では、終身保険を解約することを前提に、貯蓄商品として販売しているケースがあります。
終身保険とは死亡保障が一生涯続く保険ですが、解約返戻金が高くなる時期に解約し貯蓄として活用するというものです。
メリット
- 死亡保障と貯蓄機能を両立できる
デメリット
- 解約した後は一切の保障が無くなる
- 解約時期によっては、元本割れする可能性がある
- 保険会社に支払う手数料が高い
注意点
- 終身保険は、本来死亡保障を目的とした商品です。貯蓄目的で購入する場合は事前にリスクを理解しておく必要があります。
- 商品によっては、一定期間の解約返戻金が低く設定されている場合もあります。
大手生命保険会社が若者向け積み立て型保険の販売を開始
近年、大手生命保険会社が若者向けの積み立て型保険の販売を始めています。
これらの商品は、若いうちから少額ずつ積み立てることで、将来の備え(教育資金、結婚資金、老後資金など)を目的としています。
メリット
- 若いうちから無理なく貯蓄を始められ、元本が保証されている
- 目標金額を設定しやすい
デメリット
- 保障は事故やケガによる死亡のみに限定されているので、入院・通院の保障は無い
- インフレになると価値が目減りするため、投資信託などの方が利回りが高くなる可能性がある
NISAを利用した投資信託や株式投資との比較
投資信託や株式投資は生命保険に比べて流動性が高く、高いリターンも期待できます。
一方で保障がないことや、リスクが高くなることは比較材料として挙げられます。
生命保険はどんな人に向いている?
生命保険を貯蓄代わりにすることは、以下のような人に向いています。
- 貯蓄が苦手な人:毎月引落しになる強制力があるため、有効な手段となります。
- 保障を重視する人:万が一に備えながら、貯蓄もできます。
専門家からのアドバイス
生命保険を貯蓄代わりにするかどうかは、個人の状況や考え方によって大きく異なります。
複数の商品を比較検討し、専門家(保険会社、FPなど)に相談することをおすすめします。
また、どのような金融商品にもリスクはつきものなので、リスクを理解した上で、慎重に判断しましょう。
まとめ
生命保険は、貯蓄方法の一つとして検討する価値はあります。
しかし、生命保険はそれぞれの商品に死亡や入院、積立や運用など目的があって開発されておりますので、どんな商品なのがしっかり理解する必要があります。
ご自身の現在の状況に合わせて、他の金融商品とも比較検討し、最適な選択をしてください。
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