火災保険はどんな時に使える

保険豆知識

 

火災保険は火災、落雷、破裂・爆発を基本補償としている。

ただ、実際には上記の災害や事故で火災保険が使われることは少なく、その他のケースで使われることが圧倒的に多い。

その他の補償としては、風災・ひょう災・雪災、水災、飛来・落下・衝突、水濡れ、騒じょう、盗難、破損・汚損の他に、地震・噴火・津波があります。

補償に使われている用語がいちいち難しいとは思いますが、その辺は別な機会に説明します。

 

では、どのような場合に火災保険が使えるのか、しっかり把握している方は少ないと思います。現役の保険屋さんでも全ての事例に即答できる人は、そう多くはないでしょう。

何故そんなに火災保険は難しいのか?

商品改定がここ数年、頻繁に行われていることも要因の一つです。

でも、実際にはその災害や事故の「原因」によって保険が使えたり使えなかったりします。また、原因によって補償の対象が違うので支払条件によりもらえる金額が異なることもあります。

 

例えば、火災が起きる原因はいくつかありますが、寝たばこ、ストーブ、ガスコンロ、電化製品等が想像できます。

では、上記の出来事が地震によって起きた場合はどうでしょう。

答えは地震保険に入っていないともらえません。

火災保険の免責(保険が使えないケース)の中に、「地震・噴火・津波が原因」と明記されているので、地震によって起きた火災は補償されません。ただし、地震火災費用が支払われる場合があります。

 

また、家の中が水浸しになっていた場合はどうでしょう。

これも色んな原因が考えられますが、①台風による屋根の破損、②大雨による洪水で水が入り込んできた、③自宅の水道管が凍結により破損した、④マンションの上の階で洗濯機のホースが外れて水が漏れてきた。

答えは、①風災、②水災、③水濡れ、④水濡れとなります。

尚、①風災はフランチャイズの対象となる場合があり、②水災には支払い条件があります。③の水道管部分は水濡れの対象外。また、いずれも劣化等が原因の場合は対象外となります。

最後に水害による被害はどうでしょう。

水害の原因も沢山あります。①大雨による河川の氾濫、②高潮により海水が迫ってきた、③津波の被害に遭った。

答えは、①水災、②水災、③地震となります。

水災には支払い条件があり、③は地震保険に加入していないと対象外となります。

ちなみに、土砂崩れ・落石による損害も「水災」の対象となりますが、地震・噴火・津波が原因の場合は除きます。

 

これまで説明したように、火災保険は原因によって補償の対象が変わってきます。しかも、その補償ごとにもらえる金額が変わることがあります。

少し前の火災保険には、風災・ひょう災・雪災にフランチャイズ(FC)と呼ばれる支払方法があります。これは20万円以上の損害額がある場合に限って保険が使えるというものですが、基本的に廃材の処理費用や原因調査費用などは損害額から除かれますので注意が必要です。

また、水濡れは文字通り水で濡れてしまった部分が対象となりますので、その原因部分は対象外となります。先ほどのように水道管の凍結破損では水道管自体の修理費用は水濡れの対象外で別の補償対象となりますので、限度額や自己負担額が発生することもあります。

更に、水害や土砂崩れ等の「水災」は新価の30%以上の損害額となるか、床上浸水又は地盤面から45cmを超える浸水があることが支払いの最低条件となりますが、商品によっては損害額が満額支払われない場合もあります。

 

以上のように、似たような事故・災害でも火災保険の中のどの補償対象になるかによって、保険が使えるのか使えないのか、使えた場合でも受け取る金額が違うこともあります。

皆さんの火災保険が少し古い場合は、パンフレットや約款などで支払い条件を確認してみて下さい。手元にない場合は保険会社のホームページで探せることが多いので参考にしてください。

特に台風や大雨が多い地域の方は、来年には火災保険の料金がまた値上がりする可能性が高いので、今年中に見直ししておくことをお勧めします。

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