トヨタモビリティ東京に業務改善命令

令和7年1月24日、関東財務局はトヨタモビリティ東京株式会社（以下、トヨタモビリティ東京）に対し、保険業法第306条に基づく業務改善命令を発出しました。この処分は、同社における保険金不正請求や管理態勢の不備が原因となっています。

処分の概要

1. 業務改善命令の内容

   • 保険金不正請求疑義事案を含む不適切事案の全容把握と真因分析。

   • 以下の具体的な改善を指示：

     • 経営責任の所在の明確化。

     • コンプライアンスと顧客保護を重視する組織風土の醸成。

     • 保険募集管理態勢および顧客情報管理態勢の強化。

     • 経営管理（ガバナンス）態勢の抜本的な改善。

   • 改善計画の提出期限は令和7年2月21日、実施状況の3か月ごとの報告を義務付け。

2. 処分の理由

   • トヨタモビリティ東京では、過去に保険金不正請求や不正車検が発覚しており、再発防止策として「内部管理体制マニュアル」の策定や3ラインオブディフェンスの構築を試みました。しかし、実効性に乏しく、立入検査で多数の問題が明らかになりました。

問題点の詳細

1. 経営管理態勢（ガバナンス）の不備

   • 経営陣が保険事業を軽視しており、必要なリソース配分や人材育成が行われていない。

   • 内部統制が形骸化し、3ラインオブディフェンスが機能不全に陥っている。

2. 保険募集管理態勢の不備

   • 保険募集人への教育やモニタリングが不十分。

   • 推奨理由の説明が適切に行われておらず、法令違反の可能性。

3. 顧客情報管理態勢の不備

   • 個人情報保護に関するガイドラインの認識不足。

   • データ管理が属人的で不正確な台帳管理や情報漏えいが発生。

4. 苦情対応態勢の欠如

   • 苦情対応の方針やマニュアルが整備されておらず、再発防止策が不十分。

今後の対応

トヨタモビリティ東京は、指示された改善計画を速やかに提出し、経営管理態勢の抜本的な見直しと、保険募集や顧客情報管理の適正化を進める必要があります。また、同社は改善状況を定期的に報告し、業務の信頼回復に努めることが求められます。