最近、金融庁による保険代理店の体制整備強化の流れの中で、「自己契約」や「特別利益の提供」に関する問題が改めて注目されるようになってきました。
特に、大規模代理店などでは募集人本人の契約や家族の契約まで洗い出し、契約違反や手数料停止などの対応を始めているという話も聞くようになりました。
しかし、この問題について
現場の募集人の立場から考えると、そもそも根本的な疑問があります。
「募集人自身は
どこで保険に加入すればよいのか」
という問題です。
募集人には加入制限が存在する
生命保険業界では、募集人が保険に加入する際には様々な制約があります。
例えば、
- 自己契約(自分の代理店で加入する)
- 構成員契約(法人代理店の役職員契約を制限)
- 他社加入の問題(業界人の加入を制限)
など、募集人特有のルールが存在しています。
これは、募集人が手数料を目的として不適切な契約を行うことを防ぐという意味では、一定の合理性があるルールとも言えます。
しかし一方で、現場の募集人にとっては
「自分自身が保険に
加入すること自体が難しい」
という状況も生まれています。
契約ノルマという現実
もう一つの問題として、
多くの生命保険会社では代理店に対して
- 年間○件の契約件数
といった一定のノルマが設定されています。
もしその件数を満たせなければ、代理店契約の継続が難しくなります。
(代理店の内部でもノルマは存在します)
その結果として、現場では
自分自身の契約で件数を満たす
自己契約(いわゆる自爆契約と呼ばれるケース)が行われることもあります。
しかし、この自己契約は
- 手数料が発生する→実質的な割引
- 特別利益の問題
などの観点から問題視され始めています。
自分の代理店で入れない、他社にも入りにくい
では、
自分の代理店で加入できないのであれば他社で加入すれば良いのではないかと思うかもしれません。
しかし現実には、
- 他社加入を制限している生命保険会社
- 事前承認が必要な生命保険会社
などもあり、簡単な問題ではありません。
さらに法人代理店の場合には、代理店本人だけでなく
- 関連会社の役職員
- 従業員
などの契約まで「構成員契約」とみなされる可能性があり、商品によっては加入自体が出来ません。
実は20年以上前からある問題
実は私は、この問題について
20年以上前にも記事を書いています。
当サイトの以下の記事です。
当時も、募集人の保険加入については様々な制約があり、現場では困っている人が少なくありませんでした。
それから20年以上が経過しましたが、この問題は本質的にはあまり変わっていないように感じます。
現場の問題として整理する必要があるのではないか
もちろん、自己契約や特別利益の問題については、保険募集の適正化という観点から重要な問題です。
しかしその一方で、
募集人自身の保険加入をどう考えるのか
という点について、
業界としてもう少し整理が必要なのではないかと感じています。
現場の募集人にとっては、
- 自分の代理店では加入しにくい
- 他社加入も現実問題として無理
- しかし契約ノルマは存在する
という状況の中で、
結局、
どこで保険に入ればよいのか分からない
という声も少なくありません。
この問題は、単に自己契約の是非という問題ではなく、
募集人という職業と保険契約の関係をどう整理するのかという業界全体の課題でもあるのかもしれません。
まとめ
募集人の自己契約や構成員契約の問題は、決して最近始まった問題ではありません。
むしろ、
20年以上前から現場では存在していた問題
でもあります。
金融庁による体制整備の強化が進む今だからこそ、募集人自身の保険加入のあり方についても、改めて整理する時期に来ているのかもしれません。
この問題は今後も詳しい方向性が分かり次第記事にしていきます。


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